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コンタクトレンズ使用に対する服薬指導のポイント

目薬(点眼薬)の服薬指導の際、コンタクトレンズ使用の確認をすることも重要な項目の一つです。

特に若い世代(10代、20代、30代)の患者は高齢者に比べてコンタクトレンズをしている可能性が高いので、必ず確認をしましょう!

コンタクトレンズをつけたまま目薬をさしていいのか??

結論から言えば、「原則裸眼で点眼する」が正解です。

そもそも目薬が裸眼の上から点眼するように設計されているからです。

ただ、これだと薬剤師として信頼を得ることができません。

そこでまず、するべき質問はこうです。

「コンタクトレンズはされていますか?」
「ソフトレンズですか?ハードレンズですか?」
「ワンデイタイプですか?(1日使い切りタイプですか?)」

この質問の意図はコンタクトレンズの種類によって、目薬を使ってよいか答えが異なることにあります。

ちなみに近年ハードコンタクトレンズをしている患者は少なくなったような気がします。

コンタクトレンズの種類

主にハードコンタクトレンズで2種類、ソフトコンタクトレンズで2種類あります。

・ハードコンタクトレンズ

一番古く、耐久性に優れ、使いやすい、安価なもの

但し酸素を通さないことから角膜に負担をかける場合があります

・酸素透過性ハードコンタクトレンズ

ハードレンズの欠点である酸素透過性を改善したもの

欠点としては汚れがつきやすいので、たんぱく除去が必須

・ソフトコンタクトレンズ

材質が軟らかく、親水性の樹脂が主に使われる

異物感も少なく短時間で慣れる

含水性のため細菌の繁殖に注意が必要で、こまめに消毒する必要があり面倒くさい

・使い捨てソフトコンタクトレンズ

使い捨てコンタクトレンズはケアの必要がなく手間がかからないが、他のレンズに比べコスパが悪い



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どのコンタクトレンズがだめなのか?

コンタクトレンズをしたまま点眼することが好ましくない理由は主に2つあります。

①血管収縮剤(硝酸ナファリゾン・テトラヒドロゾリン・ナーベルなど)の角膜への影響

市販の点眼剤は充血を改善する血管収縮剤を含むものがあります。

コンタクトレンズ装着によって酸素が不足しがちなところにこれらの目薬を点眼すると、角膜の血管が収縮し酸素不足が助長される可能性があるからです。

②防腐剤(塩化ベンザルコニウム)がコンタクトレンズへ吸着する

点眼薬に含まれる防腐剤はコンタクトレンズに吸着されやすく角膜への接触時間が長くなることで角膜への影響が考えられます。(濃度が0.004パーセント以上になると涙の油膜を壊してしまいます)

またレンズの変形、白濁や変色する可能性があります。

これらの影響を受けるレンズとして

・酸素透過性ハードコンタクトレンズ

・ソフトコンタクトレンズ

の2種類があげられています。

これらを装着したまま目薬をさすと、レンズに目薬の成分や保存剤が徐々に吸着され、そのまま目に装着していると目に刺激を与えたり、レンズの性状に影響を与えることがあります。

逆に、ハードコンタクトレンズは吸着しにくく、使い捨てソフトコンタクトレンズは吸着しても1日で捨てるので影響が少ないと言われています。

 

それでもコンタクトしたまま目薬をさしたい!

今度は目薬に含まれる成分の側から考えてみましょう。

上記で述べた①血管収縮剤、②防腐剤(塩化ベンザルコニウム)が含まれていなければ、角膜への影響は少ないと言えます。

つまり、薬剤師は目薬に含まれる主成分以外の成分をも理解し、把握しておかなければなりません。

目薬の特徴をよく理解し、一回使い切りのタイプのものや、特殊な容器を使っているものなど防腐剤無添加のものもあります。

結論

コンタクトレンズを着けたまま目薬をすることは積極的には勧めることはできないが、、、

ワンデイタイプの1日使い捨てのコンタクトレンズなら可

ハードコンタクトレンズも可

その他のコンタクトレンズでも、目薬の成分によって血管収縮剤、塩化ベンザルコニウムが含まれていないものなら可(ジクアス点眼、ヒアレイン点眼、ティアバランス点眼、アレジオン点眼など)

あとは眼科医の特別な指示があればそれも考慮して服薬指導にあたりましょう!

  • B!