違いの解説

薬の容器代を請求する薬局としない薬局の差

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薬局で軟膏の薬をもらうときや、こどものシロップ薬をもらうとき、薬とは別に容器代を請求されたことはないでしょうか?

また全くそのような経験はないという方もいらっしゃると思います。

薬の容器とは

軟膏など塗り薬を入れるボトル状の壺型容器

こどものシロップ薬など液体を入れる容器

メモリ付き薬杯

スポイト

正式にはどうなっているのか?

厚労省から下記のように正式に通達が出ている(H20)

ポイント

保険医療機関等において保険診療を行うに当たり、治療(看護)とは直接関連のない「サービス」又は「物」について、患者側からその費用を徴収することについては、その適切な運用を期するため、「保険(医療)給付と重複する保険外負担の是正について」(平成4年4月8日老健第79号)、「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」(平成14年厚生労働省告示第99号)、「「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」及び「選定療養及び特定療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の制定に伴う実施上の留意事項について」(平成14年3月18日保医発第0318001号)及び「保険医療機関等において患者から求めることができる実費について」(平成12年11月10日保険発第186号)において、その取扱いを示してきたところであるが、今般、下記のとおり、その取扱いを明確化することとしたので、その徹底につき、御配慮願いたい。あわせて、入院中の患者など既に治療が開始されている患者からの費用徴収については、保険医療機関等に十分な配慮を求めるよう、その徹底につき、御配慮願いたい。なお、「保険医療機関等において患者から求めることができる実費について」(平成12年11月10日保険発第186号)は、平成17年8月31日限り廃止する。

1 費用徴収する場合の手続について療養の給付と直接関係ないサービス等については、社会保険医療とは別に提供されるものであることから、もとより、その提供及び提供に係る費用の徴収については、関係法令を遵守した上で、保険医療機関等と患者の同意に基づき行われるものであるが、保険医療機関等は、その提供及び提供に係る費用の徴収に当たっては、患者の選択に資するよう次の事項に留意すること。

(1) 保険医療機関等内の見やすい場所、例えば、受付窓口、待合室等に費用徴収に係るサービス等の内容及び料金について患者にとって分かりやすく掲示しておくこと。なお、掲示の方法については、「『療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等』及び『保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等』の制定に伴う実施上の留意事項について」(平成18年3月13日保医発第0313003号)第1の2(5)に示す掲示例によること。

(2) 患者からの費用徴収が必要となる場合には、患者に対し、徴収に係るサービスの内容や料金等について明確かつ懇切に説明し、同意を確認の上徴収すること。この同意の確認は、徴収に係るサービスの内容及び料金を明示した文書に患者側の署名を受けることにより行うものであること。ただし、この同意書による確認は、費用徴収の必要が生じるごとに逐次行う必要はなく、入院に係る説明等の際に具体的な内容及び料金を明示した同意書により包括的に確認する方法で差し支えないこと。なお、このような場合でも、以後別途費用徴収する事項が生じたときは、その都度、同意書により確認すること。また、徴収する費用については、社会的にみて妥当適切なものとすること。

(3) 患者から費用徴収した場合は、他の費用と区別した内容のわかる領収証を発行すること。

(4) なお、「保険(医療)給付と重複する保険外負担の是正について」及び「『療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等』及び『保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等』の制定に伴う実施上の留意事項について」に示したとおり、「お世話料」「施設管理料」「雑費」等の曖昧な名目での費用徴収は認められないので、改めて留意されたいこと。

2 療養の給付と直接関係ないサービス等療養の給付と直接関係ないサービス等の具体例としては、次に掲げるものが挙げられること。

(1) 日常生活上のサービスに係る費用ア おむつ代、尿とりパット代、腹帯代、T字帯代イ 病衣貸与代(手術、検査等を行う場合の病衣貸与を除く。)ウ テレビ代エ 理髪代オ クリーニング代カ ゲーム機、パソコン(インターネットの利用等)の貸出しキ MD、CD、DVD各プレイヤーの貸出し及びそのソフトの貸出しク 患者図書館の利用料 等

(2) 公的保険給付とは関係のない文書の発行に係る費用ア 証明書代(例)産業医が主治医に依頼する職場復帰等に関する意見書、生命保険等に必要な診断書等の作成代 等イ 診療録の開示手数料(閲覧、写しの交付等に係る手数料)ウ 外国人患者が自国の保険請求等に必要な診断書等の翻訳料 等

(3) 診療報酬点数表上実費徴収が可能なものとして明記されている費用ア 在宅医療に係る交通費イ 薬剤の容器代(ただし、原則として保険医療機関等から患者へ貸与するものとする。)等

(4) 医療行為ではあるが治療中の疾病又は負傷に対するものではないものに係る費用ア インフルエンザ等の予防接種イ 美容形成(しみとり等)ウ 禁煙補助剤の処方(ニコチン依存症管理料の算定対象となるニコチン依存症(以下「ニコチン依存症」という。)以外の疾病について保険診療により治療中の患者に対し、スクリーニングテストを実施し、ニコチン依存症と診断されなかった場合であって、禁煙補助剤を処方する場合に限る。) 等

(5) その他ア 保険薬局における患家への調剤した医薬品の持参料イ 日本語を理解できない患者に対する通訳料ウ 他院より借りたフィルムの返却時の郵送代エ 院内併設プールで行うマタニティースイミングに係る費用 等

3 療養の給付と直接関係ないサービス等とはいえないもの療養の給付と直接関係ないサービス等とはいえないものとしては、具体的には次に掲げるものが挙げられること。

(1) 手技料等に包括されている材料やサービスに係る費用ア 入院環境等に係るもの(例)シーツ代、冷暖房代、電気代(ヘッドホンステレオ等を使用した際の充電に係るもの等)、清拭用タオル代、おむつの処理費用、電気アンカ・電気毛布の使用料、在宅療養者の電話診療、医療相談、血液検査など検査結果の印刷費用代 等イ 材料に係るもの(例)衛生材料代(ガーゼ代、絆創膏代等)、おむつ交換や吸引などの処置時に使用する手袋代、手術に通常使用する材料代(縫合糸代等)、ウロバッグ代、皮膚過敏症に対するカブレ防止テープの提供、骨折や捻挫などの際に使用するサポーターや三角巾、医療機関が提供する在宅医療で使用する衛生材料等、医師の指示によるスポイト代、散剤のカプセル充填のカプセル代、一包化した場合の分包紙代及びユニパック代等ウ サービスに係るもの(例)手術前の剃毛代、医療法等において設置が義務付けられている相談窓口での相談、車椅子用座布団等の消毒洗浄費用、インターネット等より取得した診療情報の提供、食事時のとろみ剤やフレーバーの費用 等

(2) 診療報酬の算定上、回数制限のある検査等を規定回数以上に行った場合の費用(費用を徴収できるものとして、別に厚生労働大臣の定めるものを除く。)

(3) 新薬、新医療機器、先進医療等に係る費用ア 薬事法上の承認前の医薬品・医療機器(治験に係るものを除く。)イ 適応外使用の医薬品(評価療養を除く。)ウ 保険適用となっていない治療方法(先進医療を除く。) 等

4 その他上記1から3までに掲げる事項のほか、費用徴収する場合の具体的取扱いについては、「保険(医療)給付と重複する保険外負担の是正について」及び「『療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等』及び『保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等』の制定に伴う実施上の留意事項について」を参考にされたい。なお、上記に関連するものとして、入院時や松葉杖等の貸与の際に事前に患者から預託される金銭(いわゆる「預り金」)については、その取扱いが明確になっていなかったところであるが、将来的に発生することが予想される債権を適正に管理する観点から、保険医療機関が患者から「預り金」を求める場合にあっては、当該保険医療機関は、患者側への十分な情報提供、同意の確認や内容、金額、精算方法等の明示などの適正な手続を確保すること  療養の給付と直接関係ないサービス等の取扱いについて

ポイント

薬の容器は患者さんに貸し出している(貸与)しているものである!

その上でお金を徴収することは、正当な権利として認められています。

ただし、貸与なので患者さんから返してもらったときは薬局は返金に応じなければなりません。(再利用可能な状態のもの)



薬局の対応

様々な薬局をみてきて、主に3パターンにわかれていました。

容器代を請求し、返金のことは言わない

厚労省の規定では、利用な可能のものを持参した際、薬局は返金などに応じなければならないとされています。

しかし、薬のようなデリケートなものを扱う上で、再利用可能な容器が本当にあるのでしょうか?

事実、容器を再利用している薬局は見たことがありません。

こんな面倒なことははじめから患者には伝える必要はないという考えのようです。

また容器代を請求するには薬局内の見やすい場所(受付・待合室等)に、容器代が必要かどうかを掲示する必要があります。

この薬局は容器代かかるのかな?いくらかな?と思ったら、待合室の掲示を確認しましょう。

容器代を請求し、返金のことも言う

これは実際に容器を再利用するということではなく、次回来局時に空の容器を持ってきてくれたら、返金などの対応をするからまた来てねという意味らしい。

初回のみは50円程度かかるが、次回来局時はその時の容器代が無料か、50円返金されます。

薬局側からすると、患者のリピート率向上につながる行為だと言えそうです。ただ、その管理であったり、50円の返金業務がコストがかかる点がデメリットとなります。

容器代は請求しない

これが一番わかりやすい。

薬局側がサービスとして、容器代の費用を負担することで患者には請求しない。

こどもは医療費が無料のことが多く、母親も当然お金はかからないと思っている。

そこで、「容器代が50円です」など言われたら、なんとなくテンションがさがることでしょう。

薬局のイメージが悪くなり、他の薬局に行かれるくらいなら、50円を薬局が負担して再来局につなげた方が良いと言えます。

また薬局の容器代の管理業務もなくなり、薬剤師も他の重要業務に力を注げます。

余談

・スポイトのような無くてもよいものを希望される場合、スポイト代だけは請求しているところもありました。

・患者希望により、100g×1個 → 20g×5個 など手間がかかる場合なども請求していましたね。

また、容器代を請求するには薬局内の見やすい場所(受付窓口、待合室等)に、容器代が必要かどうかを掲示する必要があります。あらかじめ容器代が請求されるか知りたい場合はそちらを確認するのもいいかもしれません。

まとめ

薬の容器代を請求するかしないかは、各々の薬局の方針で決まります。

地球環境のことはさておき、薬の容器を再利用するということは現実的には考えにくく、ほとんど使い捨てることになります。

薬局の売り上げと患者さんの気持ちをトータルで考えると、容器代を請求する権利はあるが、請求しない方が良さそうです。

ただし、これを逆手にとって、2度と来てほしくないブラック患者には法外な容器代を請求する、、、薬局もあるかも?!

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