街を歩いたらよく見る光景、「献血にご協力くださーい!!」
科学や医療が進んだ現代でも、血液製剤を作ることは難しく献血に頼っているのが実情です。
献血に協力しようと思っても、ふと気になることが!
私が今飲んでいる薬は献血に問題ないのだろうか?
そこで、献血をする際に飲んでいてもいい薬、ダメな薬を一覧表にまとめてみました。
ただし、最終的に献血できるかどうかは薬の種類だけでなく、体調・服薬目的・症状などを考慮して検診医が判断します。
目次
献血の種類
主に全血献血と成分献血の2つです。
「全血献血」が血液中の全ての成分を献血するのに対して、「成分献血」は特定の成分だけを採血し、体内で回復に時間のかかる赤血球は再び体内に戻す方法です。献血時間は、全血献血と比べて長くなりますが、身体への負担は軽くなるのが特徴です。
献血 | 全血献血 | 400mL献血 |
200mL献血 | ||
成分献血 | 血小板成分献血 | |
血漿成分献血 |
主な採血基準
全血献血 | 成分献血 | |||
---|---|---|---|---|
200mL献血 | 400mL献血 | 血漿成分献血 | 血小板成分献血 | |
1回の 献血量 |
200mL | 400mL | 600mL以下 (循環血液量の12%以内) |
|
年齢 | 16歳~69歳※1 | 男性:17歳~69歳※1 女性:18歳~69歳※1 |
18歳~69歳※1 | 男性:18歳~69歳※1 女性:18歳~54歳 |
体重 | 男性:45kg以上 女性:40kg以上 |
50kg以上 | 男性:45kg以上 女性:40kg以上 |
|
最高血圧 | 90mmHg以上 | |||
血色素量 (ヘモグロビン濃度) |
男性:12.5g/dL以上 女性:12g/dL以上 |
男性:13g/dL以上 女性:12.5g/dL以上 |
12g/dL以上 (赤血球指数が 標準域にある女性は 11.5g/dL以上) |
12g/dL以上 |
血小板数 | - | - | - | 15万/μL以上 60万/μL以下 |
年間※2 (52週) 献血回数 |
男性:6回以内 女性:4回以内 |
男性:3回以内 女性:2回以内 |
血小板成分献血1回を 2回分に換算して 血漿成分献血と合計で24回以内 |
|
年間※2 (52週) 総献血量 |
200mL献血と400mL献血を合わせて 男性:1,200mL以内 女性:800mL以内 |
- | - |
※1 65歳以上の方の献血については、献血いただく方の健康を考慮し、60~64歳の間に献血経験がある方に限ります。
※2 期間の計算は直近の採血を行った日から起算します。
日本赤十字社HPより抜粋
献血の前提条件
薬の服用だけでなく、献血ができない絶対条件があります。
・3日以内に出血を伴う歯科治療(抜歯、歯石除去等)を受けた方
・4週間以内に海外から帰国(入国)した方
・1カ月以内にピアスの穴をあけた方
・エイズ検査が目的の方
6カ月以内に下記に該当する方
a) 不特定の異性又は新たな異性と性的接触があった
b) 男性どうしの性的接触があった
c) 麻薬、覚せい剤を使用した
d) 上記a~cに該当する方と性的接触をもった
今までに下記に該当する方
a) 輸血(自己血を除く)や臓器の移植を受けた
b)ヒト由来プレセンタ注射薬を使用した
c)梅毒、C型肝炎、マラリア、シャーガス病にかかった
※上記に該当されない方でも医師の判断で献血をお断りすることがあります。
献血できる薬、できない薬一覧表
当日服用していても献血出来る薬
当日服用していても献血出来る薬 | 備考 |
1. ビタミン剤 | 貧血治療薬・ビタミンKを除く |
2. ミネラル剤 | 貧血治療中を除く |
3. 漢方薬 | 肝疾患・感冒・喘息等のための服用を除く |
4. 非ステロイド系抗アレルギー薬 | ステロイド系抗アレルギー薬(セレスタミン、アブシラジン等)を除く |
5. 抗ヒスタミン薬(セレスタミンを除く) | |
6. 高脂血症治療薬 | エパデール・ロトリガ等を除く |
7. 胃腸薬 | 制吐剤・感染性下痢症を除く |
8. 予防薬としての抗潰瘍薬 | |
9. 低用量ピル | 緊急ピルは除く |
10. 少量の女性ホルモン等(更年期障害や月経困難症等の補充療法) | |
11. 局所投与の薬物(点鼻・点眼・吸入・外用(注)) | ※広範囲使用、感染症による場合を除く |
12. 便秘薬 | |
13. 降圧薬 | (高血圧症の治療薬として服用中で、 血圧がほぼ正常域にコントロールされていること) |
14. 抗潰瘍剤 | 消化管潰瘍がある場合を除く |
当日服用していなければ献血出来る薬
当日服用していなければ献血出来る薬 | 備考 |
1. 高尿酸血症治療薬 | |
2. 内服用筋弛緩薬 | |
3. 睡眠薬・抗不安薬・マイナートランキライザー | |
4. 消炎酵素剤 | 炎症症状がないこと |
5. 前立腺肥大症治療薬 | アボルブ、アボダート、プロスカー、プロペシアを除く |
6. 利胆薬 | |
7.市販薬(頭痛、風邪薬等) | 抗生物質が含まれていないこと |
8.高脂血症治療薬(ロトリガ、エパデール) |
服用中止から3日経過すれば献血出来る薬
服用中止から3日経過すれば献血出来る薬 | 備考 |
1. 向精神薬(抗不安薬・マイナートランキライザーを除く) | |
2. 抗菌薬(抗生物質、合成抗菌薬)・抗真菌薬・抗結核薬 | |
3. 抗ウイルス薬 | |
4. 止痢薬 | |
5. 非ステロイド系抗炎症薬・風邪薬 | |
6. 痛風発作治療薬(コルヒチン) | |
7. 喘息治療薬 | 発作の有無を考慮 |
8. 事後に服用する緊急ピル(中用量ピルを含む) | |
9. ステロイド系抗アレルギー薬(セレスタミン、アプシラジン等) |
献血できない薬
献血できない薬 |
1. 抗けいれん薬 |
2. 抗凝固薬・血小板凝集抑制薬 |
3. 抗甲状腺薬 |
5. 冠拡張薬(降圧のみを目的とする場合は 1.に準じる) |
6. 強心薬等 |
7. 治療用ホルモン薬(ステロイドなど):1ヶ月間献血延期 |
8. 免疫抑制剤:1ヶ月間献血延期 |
9. 抗癌剤:無期献血延期 |
10. 乾癬治療薬(a.チガソン):無期献血延期 (b.ソリアタン):3年間献血延期 |
11. 前立腺肥大症治療薬(アボダート)6ヶ月間献血延期 |