ステロイド薬の似たような商品名、成分名を全て網羅している薬剤師は多くはないのではないでしょうか。
ここでは現場で役立つ一覧表を作成しています。(強弱分類中の記載順序はゴロにあわせているため、強弱とは関係ありません。)
ステロイド外用薬 強弱ランキング
ステロイド外用薬は(副腎皮質ホルモン剤)抗炎症作用と血管収縮機能の強さによって、
・ストロンゲスト(最も強い:strongest)
・ベリーストロング(非常に強い:very strong)
・ストロング(強い:strong)
・ミディアム(普通:medium)
・ウィーク(弱い:weak)
の5段階に分類されています。
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塗り薬の基礎知識
体の場所によって皮膚の厚さが違うため、同じような症状でも、塗る場所によって使われる薬の強さが変わってきます。
例えば、「顔、首、脇下、関節の内側、外陰部」などは皮膚が薄いので、弱いステロイド剤が使われ、「腕、足、胴体」などは皮膚が厚いので強めのステロイド剤が使われる傾向にあります。
「手のひら、足の裏」は皮膚が最も暑い箇所なので、ストロンゲスト、ベリーストロングのステロイドが選ばれることがあります。
乳幼児に関しては全体的に大人に比べて皮膚が薄いので、弱めのステロイド(ミディアム以下)が使われます。
まず炎症を鎮めるために強ランクのステロイドを使い、症状がよくなってきたら、弱いステロイドに切り替えていく方法が一般的です。
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リンデロンの使い分け(DP、V、VG、A)
『リンデロン』というものを現場でよく目にします。 錠剤や粉、シロップもありますが、ここではステロイド外用剤のリンデロンについて解説します。 ステロイドの強さが異なる 結論から言ってしまえば、それぞれの ...
ステロイド外用薬 強弱ランキング一覧表 最新版 【覚え方ゴロ付き】
【代表的な商品名の数とゴロ付き】
※印刷は表下のPDPファイルを参照
☆分類 | ☆一般名☆ | ☆代表的な商品名☆ | ☆ワンポイント☆ |
◎ストロンゲスト(4つ) | |||
劇 | クロベタゾールプロピオン酸エステル(0.05%) | デルモベート軟膏 | 大量・長期広範囲の使用で全身投与と同様の作用の恐れがあるため原則回避 |
コムクロシャンプー | |||
ジフロラゾン酢酸エステル(0.05%) | ジフラール軟膏 | 大量・長期広範囲の使用で全身投与と同様の作用の恐れがあるため原則回避 | |
ダイアコート軟膏 | |||
◎ベリーストロング(9つ) | |||
劇 | フルオシノニド(0.05%) | トプシム軟膏 | |
ジフルプレドナート(0.05%) | マイザー軟膏 | ||
劇 | ベタメタゾンジプロピオン酸エステル(0.064%) | リンデロンDP軟膏 | リンデロンに比べ強い皮膚血管収縮能 |
<ドボベット軟膏> | <適応>尋常性乾癬の適用 顔は不適 |
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酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン(0.1%) | パンデル軟膏 | ||
劇 | 吉草酸ジフルコルトロン | テクスメテン軟膏(0.1%) | |
ネリゾナ軟膏(0.1%) | |||
<ネリプロクト軟膏(0.01%)> | <適応>痔核に伴う症状 | ||
劇 | 酪酸プロピオン酸ベタメタゾン(0.05%) | アンテベート軟膏 | 抗炎症作用と全身作用の分離度が大きい |
<マーデュオックス軟膏> | <適応>尋常性乾癬 1日1回 MAX10gまで |
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劇 | モメタゾンフランカルボン酸エステル(0.1%) | フルメタ軟膏 | 局所抗炎症作用が強く、主作用と副作用との乖離性が大きい |
劇 | アムシノニド(0.1%) | ビスダーム軟膏 | |
【ゴロ】 泊まりでパンをテクって練って、あんこ入れたらフルパワーのビーム出た | |||
◎ストロング(8つ) | |||
フルオシノロンアセトニド | フルコート軟膏(0.025%) | ||
フルコートF軟膏(0.025%) | フラジオマイシン硫酸塩(0.35%)含む | ||
フルコートスプレー(0.007%) | |||
フルコート外用液(0.01%) | |||
デキサメタゾン吉草酸エステル(0.12%) | ザルックス軟膏 | ||
ボアラ軟膏 | |||
ベタメタゾン吉草酸エステル(0.12%) | リンデロンV軟膏 | ||
リンデロンVG軟膏 | ゲンタマイシン硫酸塩(0.1%)含む | ||
ベトネベート軟膏 | |||
ベトネベートN軟膏 | フラジオマイシン硫酸塩(0.35%)含む | ||
劇 | プロピオン酸デキサメタゾン(0.1%) | メサデルム軟膏 | 代謝物のデキサメタゾンデキサメタゾンは32時間で最高血漿中濃度 |
デプロドンプロピオン酸エステル(0.3%) | エクラー軟膏 | ||
ベクロメタゾンプロピオン酸エステル(0.025%) | ベクラシン軟膏 | 表皮基底層で真皮への移行は一時的に阻止され、塗布部位の表皮全層に長く貯留 | |
【ゴロ】フルコートのザルに入ったボールがリンデロンでベトベトしてめっさクラクラする | |||
◎ミディアム(7つ) | |||
デキサメタゾン | オイラゾンクリーム(0.1%、0.05%) | ||
グリメサゾン軟膏(0.1%) | 脱脂大豆乾留タール含む | ||
<デキサルチン口腔用軟膏(0.1%)> | <適応>口内炎、舌炎 | ||
<D・E・X眼軟膏(0.1%)> | |||
<サンテゾーン眼軟膏(0.05%)> | |||
吉草酸酢酸プレドニゾロン(0.3%) | リドメックスコーワ軟膏 | ||
アルクロメタゾンプロピオン酸エステル(0.1%) | アルメタ軟膏 | 局所抗炎症作用が強く、主作用と副作用との乖離性が大きい | |
トリアムシノロンアセトニド(0.1%) | レダコート軟膏 | ||
<ケナログ口腔用軟膏> | 2018.06販売中止 2019.03経過措置予定 |
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ヒドロコルチゾン酪酸エステル(0.1%) | ロコイド軟膏 | 短時間で角質層に良好な沈着がみられ、経時的に増強。除去後24時間でも真皮貯留 | |
クロベタゾン酪酸エステル(0.05%) | キンダベート軟膏 | ||
【ゴロ】おい!グリグリ、リアルにレロレロするのは禁止や | |||
◎ウィーク | |||
プレドニゾロン | プレドニゾロン軟膏(0.5%) | ||
エアゾリンD1(0.088%) | 2017.01販売中止 | ||
クロマイP軟膏(0.3%) | 眼科用、化粧下、髭剃り後に使用しない。後発品のハイセチンPは10g包装がある。 | ||
◎ウィーク相当 | |||
ヒドロコルチゾン | テラ・コートリル軟膏(1%) | オキシテトラサイクリン塩酸塩(3%)含む | |
オイラックスHクリーム(0.25%) | クロタミトン(10%)含む | ||
エキザルベ(0.25%) | 混合死菌浮遊液含む ヒドロコルチゾンが真菌症を悪化させる恐れあり |
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プロクトセティル軟膏(0.5%) | フラジオマイシン硫酸塩(0.71%)含む | ||
強力ポステリザン軟膏(0.25%) | ジブカイン塩酸塩(0.5%)含む | ||
ヒドロコルチゾン酢酸エステル | 強力レスタミンコーチゾンコーワ軟膏(1%) | エスクロシド(1%)含む | |
デスパコーワ口腔用クリーム(0.5%) | ジフェンヒドラミン塩酸塩(0.1%)含む | ||
ヒノポロン口腔用軟膏(0.5%) | <適応>急性歯肉炎,辺縁性歯周炎 | ||
メチルプレドニゾロン(0.1%) | ネオメドロールEE軟膏 | フラジオマイシン硫酸塩(0.35%)含む | |
プレドニゾロン酢酸エステル(0.25%) | プレドニン眼軟膏 | ||
ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム(0.1%) | 眼・耳科用リンデロンA軟膏 | フラジオマイシン硫酸塩(0.35%)含む |
ポイント
今では一般名処方が当たり前になってきて、似たような成分名に混乱することもあるのではないでしょうか。
例えば、ベタメタゾンなんちゃらというものでも、酪酸プロピオンならアンテベート、吉草酸エステルならリンデロンというふうに全く別物でステロイドのランクも変わってきます。
処方せん受付時にまず、側鎖まで含めて入念にチェックしましょう。
こちらのステロイド外用薬のランクを一覧表にまとめてみたにもとても分かりやすくまとまっていますのでご参照ください。